青年部会コーナー
演 題 『地域防災と企業の役割』
講 師 特定非営利活動法人レスキューストックヤード 代表理事 栗田 暢之 氏
平成25年1月17日(木)、青年部会臨時連絡協議会講演会が、特定非営利活動法人レスキューストックヤードの代表理事栗田暢之氏をお招きして、「地域防災と企業の役割」と題して、ホテルパークにて開催されました。
氏は、1995年阪神・淡路大震災で当時勤務していた大学の学生ら延べ1,500人のコーディネートを務め、以降現在までに35箇所を超える自然災害の現場で支援活動を展開しています。またその現場での学びを生かし、地域防災力の向上や災害ボランティアの育成等に尽力されています。
2000年東海豪雨水害時は愛知県庁内に設置された「愛知・名古屋水害ボランティア本部」の本部長を務め、2011年東日本大震災では東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)代表世話人、愛知県被災者支援センター長なども務められています。震災がつなぐ全国ネットワーク代表、災害ボランテイア活動支援プロジェクト会議幹事、その他、中央防災会議専門調査会委員ほか国の省庁や愛知県地震対策有識者懇談会委員など愛知県や名古屋市などの各種検討会委員も歴任されています。また、京都大学防災研究所、名古屋大学大学院、名古屋工業大学大学院、至学館大学の非常勤講師も務めるなど、現在も多方面でご活躍されています。
講演では、平成7年の阪神・淡路大震災や平成23年の東日本大震災での支援活動を通しての経験に基づき、防災対策やこれからの支援活動のあり方をお話して頂きました。阪神・淡路大震災における死因の83.7%は家具や家屋の転倒倒壊等による圧死・窒息死であり、家具の固定や耐震補強等でかなり防ぐことが出来ます。要救助者の救助の内訳は、地域住民による救出77%(約8割が生存者の救助)で自衛隊・消防隊による救助23%(半数以上が遺体の救出)であったとのことです。地域住民の救出には、企業も含まれ、ある企業は消防隊を編成して消火活動に貢献したそうです。
また、東日本大震災における最大の支援活動は、被災地が復興するまで、心だけでも応援し続ける・忘れない・共に考えることであるとのことです。ボランティア活動でなくても、観光や会議・研修でもいいのでどんどん現地に行くこと。また、現地のものを購入すること。県外に避難されている方の支援など。
そして、忘れてならないのが「災害大国・日本」であるということです。今までの教訓を今の若者や将来の大人に伝えていかなければなりません。自主防災組織への参加や地域社会との接点が希薄である現状を踏まえ、企業の果たす役割は大切なのです。また、企業の倉庫は地域の宝物であり、モノだけでなく、企業の持つ専門的な知識、敷地や社屋の解放等も大いに役立つのです。
青年部会 講演会委員長 井納英昭
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司会進行は講演会委員会 井納委員長 | 早川部会長の挨拶 |
特定非営利活動法人レスキューストックヤード 栗田暢之氏 | 國井 副部会長の謝辞 |